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複雑な感情の話

この気持ちをなんと呼ぶ…という状態に陥るたび、”複雑な感情”など人間に要らん、と思う。

百歩譲ってドラマとして客観的に鑑賞する分には許そう。その背中だけで悲哀と誇らしさを表現したハリウッド映画のワンシーン、想いの届いた嬉しさの中に混じった一握の寂しさが読者をやきもきさせる恋愛漫画、”複雑な感情”があってこそ盛り上がる物語は確かにある。

ただ毎日を生き抜く上では邪魔なことの方が多いように思う。自分の気持ちが100で理解できていないから躊躇を生む。”複雑な感情”が阻んで一瞬のチャンスを逃したことも数多くあるだろう。

赤ちゃんには”興奮、快、不快”の3つの感情しかないと言う。なんてちょうどいい数なんだ。この3つだけで過ごせたら判断力は格段に上がるんじゃないか。物事にぶち当たったときも「快」だと感じたら前に進めば良いし、「不快」なら止まれば良いのだ。

恋愛漫画もわかりやすくなる。「快です、付き合ってください」「快、お願いします」だし「快です、付き合ってください。興奮」「不快、ごめんなさい」でいいのだ。

どうにか赤ちゃんのように過ごせないか…ある程度悩んだところで、そもそも”喜怒哀楽”自体も”興奮、快、不快”の混ぜ合わせでしかないのではという考えに至った。”喜”が”興奮+快”なら”怒”は”興奮+不快”、”哀”はそのまま”不快”、”楽”は”快”だ。なんてことはない、ただ初めから持ち合わせていたキャンパスの絵の具を少しずつ混ぜただけで我々は大人の感情を身につけたつもりになっていただけだったのだ。

行き場のない気持ちも「興奮5、快4、不快1だな」などと整理してしまえばあとはもう赤ちゃん同然だ。そう考えると気持ちは少し楽になる、そんな気がする。なんだか興奮してきた。