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魔窟についての手記

東と西と南はあるのに北がないものはなーんだ?

こんばんは、そんな訳で今日のテーマは東京のダンジョン、新宿駅です。東京になじみの薄い方には申し訳ないですが、そうと決めたから。

新宿駅で迷子になったことのない方はいないかと思います。とにかく路線が多い、人が多い、出口が多い、どん詰まりが多い、縦に横に入り組んだその構造はまさに現代の魔窟だ。

で、なんでこんなにも迷うのだろうと突き詰めた結論が冒頭の「東と西と南はあるのに北がないものなーんだ?」。そう、この駅には出口がたくさんあるのに北口というものが存在しない。調べられる限りで出口を列挙してみよう。

 

東:JR東口、JR中央東口

西:JR西口、JR中央西口、小田急地下西口、小田急地上西口、京王西口、

南:JR南口、JR東南口、JR新南改札(旧・新南口)、小田急南口

他:ミライナタワー改札、甲州街道改札(旧・サザンテラス口)、ルミネ口、新都心口、京王新線口、京王百貨店口、広場口、臨時口、大江戸線の出口が3つくらい

 

こんなにたくさん口があるもの他にないでしょう。調べきれていないだけで多分もっと口はある、我々がまばたきをしている間にもどこかで人が生まれ、人が死に、新宿駅には口が増えている。

改めて並べても不自然なまでに北口が見当たらない。それは迷う訳だ、ぼくらは新宿駅を歩くとき南と東と西しか無いコンパスを渡されているようなものなのだ。

なぜここまで北口を排除する…不自然なまでに…?おれはハッとする。もしかして元々は存在していた北口が、なんらかの理由で消されたとしたら…?息を飲む、南口コンコースを駆け、通勤ラッシュの人並みをかいくぐり、アルプス広場を通り過ぎて、そして辿りつく。この色あせて埃をかぶった無人の改札は…?おれの身体は己の胸の高鳴る音で充満し、背後の不穏な足音に気付かないでいた。鈍痛。薄れゆく記憶の中で濡羽色の外套に身を包んだ男二人の薄い笑顔を見た、北口、キミは…