運動音痴のひと20人でフットサル大会をしたときの話
イニエスタのJリーグ入りでにわかにサッカー界が沸き立っている。
サッカーでふと思い出した出来事がある。それが”運動音痴限定フットサル大会”のことだ。
- - -
歴史的なその出来事を語る前に”サッカーと北向ハナウタ”について触れておく。
今でも一番好きなスポーツというとサッカーを挙げるけれど、おれのサッカーの歴史は凄惨なものである。プレイ経歴をまとめると、
・小学校1〜2年(引越しにより退部)
・小学校5年生(なじめず退部)
・中学校1年生(つらくて退部)
ご覧の通りとにかく退部を続けてきたのだ。これだけ退部してきた理由はだいたい3つくらいあって、まず第一に、サッカー部にいる明るい男たちに馴染めない。声が大きくて怖い。第二にサッカーがヘタだ。全然うまくないのだ。そして第三に根性がない。こんな三拍子が揃ったらそりゃあやめるだろう。何度だってやめる。
それでもサッカーは好きだったので大学に入っても性懲りも無くサッカーサークルへ見学に行っては入部せず、社会人になってフットサルに呼ばれるも一度呼ばれたら次回は声がかからない、というような日々だった。
- - -
そんなある日、友人と「とにかく運動をしていないのでやばい」という話になった。そこでひらめいたのが冒頭の”運動音痴限定フットサル大会”だ。
みんな運動音痴だったらのびのびやれるのではないか? そう思った我々がTwitterで声をかけるとあれよあれよと20人が集まった。みんな本当は運動をしたかったのだ!
もちろん運動ができそうな人は丁重に断った。我々が萎縮してしまうからだ。「応援だけしにいってもいいですか?」という相談も断った。違うんだ、普段応援側にまわっているひとにこそ参加してほしいんじゃないか。それに客観視するひとが入ると萎縮してしまう。我々はすぐ萎縮するのだ。
当日配ったレジュメ
外野から見えないよう完全個室のコートをレンタルして望んだ当日。結果から言うと大会は本当に楽しかった。みんな本当にヘタだった。すごいヘタだった。でもそれを笑う人もいないし、遠慮する人もいない。みんな精一杯に本気でボールを追いかけたのだ。
ドリブルで直進しかできない男がひたすら直進し、こぼれ球を女の子がシュートし、バーに跳ね返って上がったボールを別の女の子が必死にヘディングするのだ。こんな光景見たことなくて少し感動すら覚えた。
そうだ、我々は運動が嫌いなんじゃない。とにかく運動のうまいキャーキャーしたひとに囲まれて遠慮しながらするそれが苦手なだけだったんだ。
「また絶対やろうね」という話をみんなでして、それから一度も開催されずに3年経ってしまった。たぶんまだみんな筋肉痛が治っていないのだ。