なんて食べやすいんだろう、バナナ

今日、”一番好きな果物”の話になり(言葉にすると幼稚園児の会話みたいだ)、パイナップル?意外とさくらんぼ…?などとあぐねたのだけど、”一番食べる果物”という質問ならそれは簡単で、答えはバナナだ。

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そもそもおれはバナナを果物扱いしていないというか、カロリーメイトの類というか、要は安くて小腹を満たしてくれる嬉しい存在なのだ。そこに果物特有の高揚感やブルジョワ感はない。しかしバナナは本当に食べ物として優秀だと思う。

何より彼のすごいところは”食べやす過ぎる”という点だ。本当にこれはすごい。まず包丁がいらない。この時点であらゆる果物より優れている。剥くだけでいいのだ。そしてめちゃくちゃ持ちやすい。人間の手で持ってくれと言わんばかりのその収まりの良い優れたフォルム。この差別化で剥いて食べられるみかんなどのライバルを一気に蹴落とす。彼らには持ち手がないのだ。しかもたまに妙に剥きづらい個体もある。バナナはすべて剥きやすい。

一房もぎ取り、手を汚さぬままスマートに皮を剥き、食べ終わったらその皮を捨てればいいだけ。しかも自らの皮の色で”いま食べ頃だぜ”と示してくれる親切機能付き。こんなものが自然界で自生しているなんて奇跡ではないだろうか。未来から来た果物なのではないかとさえ思う。

ぜひ今後バナナを手にした時はその食べやすさに想いを馳せてほしい。いつでも彼らは人間たちに食べられるためスイートスポットを用意して待っているのだ。

おれのドトールのカードがレアカードでした

気づいたきっかけは自分のドトールバリューカード(以下:ドトールカード)のランクを調べた時でした。

ドトールカードは会員登録すると前年の購入金額に応じて下の画像のようにランクアップするんです。で、おれも結構通っているし今のランクはなんだろう、もうゴールドに上がっているのでは…?よもやプラチナ…?と会員ページを調べたのですが、どこにも表記がない。なんだなんだとよくよく見たら「ステータス:ブラック」とある。

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はて、ブラックとは…?なんかブラックリストみたいなものだろうか、もしや期間限定の「ミラノサンド鹿児島県産黒豚と夏野菜ソース」を店員と同じ呼び方で「鹿児島サンドください」とか通ぶって常連ヅラしてたから目をつけられたのでは…と恐る恐る検索したらある一文が目に留まりました。

ブラックカードは常連客だけに配布された激レアのカードです” 

 常連だけに配布…!?よく読んでみるとドトールカードが開始されたとき、各店舗独自の判断で常連客にのみブラックカードが渡されたとかなんとか。おれは知らない間に独自の判断をされブラック会員になってた。マジなのかよ。

で、このブラックカード、チャージ時に10%ポイントが付きます。めちゃくちゃじゃないですか、2,000円チャージしたら200円分ポイントが付くんです。”年間5万円使う”ことで同じポイント率のプラチナランクになれるのですが、そちらはその年限りなのに対して、ブラックは永久に10%ポイントがつくらしい。

道理でめちゃくちゃポイント溜まると思ったー!なんかおれのカードひとより黒くない…?って思ったー!それもそのはず、おれは独自の判断でブラックカードを渡されていた。

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ちなみに見た目はこんなのです。

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通常はこう。 

 「ドトールカードめっちゃ溜まるから買いなよ!」とかみんなに触れまわっていたけどごめんなさい、おれがブラックなだけでした(でもブラックじゃなくてもスタートから5%ポイント付与ってすごいですよね…?)。

それにしても驚いた。普通こう、上からじゃないけど、いつもご利用いただいてるので特別待遇させていただきますね!みたいなアナウンスあるじゃないですか。ない。「あの子のこと好きだけど、あの子、おれのことどう思ってるかな…」とかドキドキしてたらすでに靴箱にあの子からのラブレターが入っていた、みたいなことじゃないですか。

おれは愛だと思う。ここに愛があると思う。ドトール、共に生きよう。明日も会いに行くよ、ブラックカードを持って。

拝啓 グラハム・ベル

先週話したiPhoneの不具合、めっちゃきれいに画面を拭いたら良くなった。アナログな理由だったぽい。

ほんの一時的な携帯電話の不調でも日常生活を確実に鈍らせ、もうこの機械なしでは満足に人間として暮らすことが出来ないなと改めて感じた。調べごとをするにも道を探すにも何かを買うにもこの平べったい四角い機械がついてまわるのだ。 

昔から面白いなーと思っていることがあって、電器店の屋号にヨドバシにせよビックにせよ”カメラ”がついている、ということなのだけど、その昔はカメラが商用の機器の中でも花形だったのかなという、そういった跡が垣間見えて好きなのだ。ところがどうだろう、主役を張っていたはずのカメラはもうすっかり携帯電話の一部に組み込まれてしまった。iPhoneの背面から少しはみ出たカメラレンズは彼らのせめてもの抵抗だろう。

しばらくは”電話に何を足すか”が開発者の争点になり、もうあと数十年は電話にとってかわる新しい何かは生まれないと思う。電話が生まれてから140年、遠くの人間の声を聴くこの機械が人々の生活の中心にどっかりと居座ることを誰が想像できたろうか。

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2014年末、世界人口は72億人。携帯の契約台数は75億とついに人間より携帯電話の多い世界となった。

iPhone7なんていらないよ

iPhoneの調子が悪い。明確に悪い。

具体的に言うとタップに反応しなくなってきてしまった。昔はあんなに嬉しそうに反応してくれたのに、おれの嫌いなところがあったら治すから言ってほしい。

文字を打とうにも度々シカトされるので文章も億劫になる。先ほどは躍起になって連打したらたまたま顔文字のボタンだけ押せてしまい、渾身の「^_^」が打ち込まれてしまった。「バストイレ別^_^」じゃないんだよ、どういった感情表現なんだ、おれのラッキーフリックを返してくれ。

原因として思い当たる節はひとつあって、最近「iPhone7がほしい」と口走ってしまったのが引き金だったんじゃないかと睨んでいる。こういう、言霊というか、モノの寿命に対して信心めいたものがどうやら自分のなかにあるらしい。

前に軽い気持ちで新しい眼鏡を買ったら、それまで元気にしていた古い眼鏡がその翌日静かに真ん中で二つに割れているのを発見したことがある。真ん中で割れるものなんてパピコしか知らなかった。傷ひとつない新入りを見て、あぁ、これでおれも安心して引退できるな、今度はお前がハナウタの目となるんだよ、と穏やかな笑顔で二つになったんだと思う。いい眼鏡だった。

問題はお手元のiPhone6である。おれはなにも傷ひとつない新入りを手に入れたわけでもなく、ましてや2年契約をあと5ヶ月も残している。もう少し一緒に頑張ろう、防水加工じゃなくていいからさ、そうさ水の中になんて入らなければいい。大丈夫、いいよ、お支払いは現金さ。

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おばあちゃんと多分もういない犬

先日、道端で大きなケージを重そうに運ぶおばあちゃんに出会った。

あまりに足取りが不安定だったので思わずよろしければお持ちしましょうか、と声をかけた。「ありがとう、じゃあ大きな通りまでお願いしようかしら」大通りまで出ればタクシーを捕まえるとのこと、確かにこの細い路地ではタクシーは見つかりそうになかった。

ケージの中にいたのは薄い灰色に少し白の混じった小型犬だった。おでかけですか、おばあちゃんに訊くと動物病院に行くのだという。少し間をおいて彼女は話を続けた。不治の病らしい。もう何度も医者に通ったがこれ以上は良くならない、食欲も体力も日に日に衰えていくし…今日動物病院へ行くのは、安楽死をさせるためだそうだ。

ああ、それは…突然の安楽死という響きにうまく言葉が出せなかった。でもおそらく自分が何か気休めのような声をかけるのは違うのではないかと思い、犬とおばあちゃんの目が合うよう、ケージを高い位置で持ち直した。

それから大通りに出るまでおばあちゃんは思い出話を見ず知らずの自分にいろいろ聞かせてくれた。おすわりが得意だったこと。見た目は可愛らしいけどオスだということ。里子を預かったもので、兄弟たちは仙台にいるのだということ。たくさんかわいがってたくさん遊んでたくさん贅沢においしいものをあげたからきっと幸せだったと思うのよ、とおばあちゃんは努めて明るく話していた。

見通しのいい通りまで歩き、おばあちゃんと犬と別れた。もし自分と会わなかったら彼女はどんな思いでケージを持ち運んでいたのだろう。もしかしたら自分なんかが良かれと運んだりせず、彼の重さを実感しながら歩きたかったのではないだろうか。正解があるのかもわからないことをぐるぐると考えた。 

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ゾゾタウンが流行っている理由を考える

ゾゾタウンなんて絶対に使わないぞ。

頑なにそう思っていたのだけどもうこの半年で3、4度利用している。いつのまにかゾゾの町の住人になっていた。住民票を移した方がいいかもしれない。

今まで利用してこなかった理由は明解で、「だって試着しなきゃ買うの怖くない?」だ。おそらくゾゾタウンに住民票を移していない方々はこの思いがあると思う。

ゾゾの町を利用するようになったメリットはいくつかあるが、最たる理由は”買い物は面倒くさい”ということに改めて気づいてしまった点だと思う。街まで出るのが面倒だ、服を探して何店舗も歩き回るのが面倒だ、店員から話しかけられるのも面倒だ。服屋に着ていく服がない、とはよく言ったもので、服がないから服屋に来たわけであり、あまりこちらの全身をしっかりと見ないでほしいのだ。ゾゾ町なら最悪全裸でも服が買える。全裸で待ち、到着した服を着ればいいのだ。

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実際のところはわからないけど、おれの思うゾゾ町の利用層をまとめてみた。”真のオシャレ層”はやっぱりオシャレな店に行くのだと思う。着てみないとシルエットもわからない、手に取らないと素材や色もわからない。そもそも買い物自体が好きなので店に通う。一方で”真のどうでもいい層”がある。着られればいいので適当な店に入り適当に買う(この際「最近はユニクロもオシャレなの出てるよ」などの意見は置いておく)。問題は”ちょっとオシャレしたい層”だったのだ。みんなと服が丸かぶりするのは避けたい。でもちょっと面倒くさい。オシャレ意欲と面倒な気持ちが複雑に入り混じったとき、ひとはある町にたどり着くのだ。

ようこそゾゾタウン。

意外と「このブランドならこのサイズでどうにかなる」を把握しておけば失敗も少ない。そもそも店で買うより安く買えるので失敗のダメージも少ない。少しずつコツをつかみ”ゾゾ筋(ぞぞきん-ゾゾタウンを利用する用の筋肉)”がついていく。そのようにしてひとは住民票を移していくのだと思う。オシャレに少し疲れたあなたも一度利用してみるのも手だと思う。もう一度言おう。

Welcome to ようこそゾゾタウン。

金沢動物園に行こう。

先日上野動物園の記事で賞(※)をいただいたばかりで恐縮ですが、実は他に一番好きな動物園がありまして、今日はその話です。

突然ですが、皆さんは動物園に何を求めますか?珍しい動物がいる、イベントが楽しい、見やすい、コスパがいい、人それぞれかと思います。その中で自分が好きな動物園の条件が”動物も人間も過ごしやすいか”ということです。

えーっと何言ってるかよくわからないと思うのですが、やっぱり観客からすると見やすさ、動物との近さって大事じゃないですか。ただ、単純に動物と人間との距離を近づけようとすると動物の生活エリアが狭くなる。見ていてちょっと息苦しく悲しい気持ちになります。それならばと動物の住処を広くすると今度は動物が遠くに離れてしまい見づらくなる。ジレンマです。

そのあたりの見せ方がいいなーと思うのが、おれの一番好きな動物園、横浜市立金沢動物園

この動物園、”ツノのある動物”に特化しているというコンセプトの時点でかなり面白いのですが、動物の特性を活かした見せ方がされていて、それが好きなんです。

例えばオオツノヒツジとプロングホーンの展示。オオツノヒツジって高所で暮らす動物なので、普通に展示させると観客が高所にいる彼らを見上げる形になるんですが、ここだといきなり目の前にオオツノヒツジがバーンと現れます。いきなりです。

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何故ここにオオツノヒツジ!?となるのですが、冷静に考えるとここにたどり着くまでに少しづつ山を登っていたんですね。f:id:kitamuki:20170502124638j:plain

実際の写真だとこういった具合。この下にはずっと岩山が広がっています。オオツノヒツジの高所へ登る習性を鑑みて、彼らが自然と集まる場所に、人間の動線が来るようにしているんです。この配置設計が素敵。

で、オオツノヒツジ良かったなーと余韻に浸りながら坂を右に曲がりながら下っていくと、いるんですよ、下りたところにプロングホーンが。

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いたー!同じ岩山の下の方に、平地で暮らすプロングホーンがいるわけです。当然山を見上げるとさっき目の前にいたオオツノヒツジが断崖絶壁の上で暮らしている。めちゃくちゃ憎い演出。あとこの動物園はフェンスがほとんど無いのでとても見やすく動物を近くに感じることができます。フェンスの有無、思っている以上に臨場感に差が出ます。

まあここまで偉そうに話してこの間はじめて行ったばかりなのですが、他にもカンガルーのウォークスルー、休憩室で見られるワライカワセミ、儲ける気の更々ない園内での食事や不安になるなかよしトンネル、適度な混み具合(大事)、隣接した公園にある全長100mの滑り台など…。魅力を挙げるとキリがないのですが、とにかく動物の過ごしやすさを第一にした上で観客にも楽しんでもらおうという心遣いが感じられておれはこの動物園がとても好きです。

少し辺鄙なところにありますが、品川から最寄りの金沢文庫駅まで一本ですし(そこからバスに乗るけど)ゴールデンウィーク行くところに迷った際はいかがですか、金沢動物園

 

※追記。

この度、当ブログの「上野動物園を外から覗いた、の話」がデイリーポータルZの新人賞で最優秀賞をいただきました!ずっと憧れていたwebサイトだったので本当に嬉しいです。

portal.nifty.com

kitamuki.hateblo.jp

やー…なんか、ありがとうございます。まだ実感無いですがこれからもよろしくお願いします(ちなみに金沢動物園は外から覗けるタイプの動物園ではないです)。