原理はわからないけど冷え性がなくなった
まずはこれを見てほしい。
右足だ、逆側には左足もあるぞ
いきなり足など見せてくれるなとお思いだろう、おれもそう思っている。見て欲しいのはもちろんおれの足ではない、謎の茶色いプロテクタだ。
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実は重度の冷え性である。この時期は足まで血液が回らず、裸足でいるとやがておれの足から寒波が発生し、南下して近畿地方に記録的大雪をもたらす。
かといって靴下を履いて寝るのも蒸れて気持ちが悪いし、どうしたものかと目に留まったのが冒頭で紹介した茶色いプロテクタ、その名も「ピンピン」なのだ。
パッケージはこんなだ。足が笑っており、安心感がある
※念のため申し上げると 別にこれは広告記事でもなんでもないので、気になる方は「ピンピン 冷え性」などで各自調べてみてほしい。
上司への誕生日プレゼントに冬向けのものを調べていたらたまたま見つけて、個人用に買ってしまった。とにかく藁にもすがる思いだったのだ。
正式名称は「磁気健康足心サポーター ピンピン」。70mTの永久磁石の力で足裏の血液が循環され血行が改善されるのだ。
うさんくさい。ちょっとうさんくさいぞピンピン。本来であれば謎の健康グッズなど見向きもしないのだけど、前述の通り藁にもすがる思いだったのだ。セールで2,000円くらいになっていたので「まぁ効果なくてもあきらめがつくな」とピンピンにもすがる思いで購入ボタンをクリックした。
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で、いまこうしてブログを書いている。つまりはなんだかすごい効果があった。全然足先が冷たくならない。通気口があるので蒸れない。なんでなんだ、すごいぞピンピン、すごいぞ永久磁石。
とにかくこのピンピンの良さを誰かに伝えたく、こうして筆を綴っている。もし冷え性でお困りの方がいたらあまり期待せずにすがってみるのもいいと思う。
仙台はパラレルワールドの東京
こんばんは、私はいま仙台にいます。"旅先で文章を書くのって粋なのでは?"というミーハーな気持ちからこのブログを書いているので、この記事の中身にはあまり期待しないでください。
とは言え仙台ってあまり"旅先"の雰囲気がない。仙台には旅先の雰囲気がない、という話を今日はしようと思う。
おれの中で仙台は『パラレルワールドの東京』なのだ。あまりに東京っぽい。そもそも近い。東京から1時間半もすれば着く。下手したら23区外より近い気がする。
すれ違う人々の雰囲気や装いも似ている。他の地方へ行くと明らかに喋り方が違ったりなんとなく出で立ちも関東のそれとは違うのだけど、この杜の都では標準語(標準語という言い方で語弊はないだろうか)が飛び交い、様相も東京のそれとおれには正直見分けがつかない。
地下鉄は青い東西線と緑の南北線が縦横に筋交い、大きな通りは銀杏が臭い。東京だ。東京の知らない大きな街だ。"へー、ここが立川かー"と言われれば信じる。
でも少し違うのだ。それが何かはよくわからない。少し寒い気候のせいかもしれないし、駅で見かける路線図などのフォントのせいかもしれないし、そういうちょっとした違和感が重なって重なって、それがパラレルワールドっぽさを醸し出している。そんな気がする。
なんだかみんな礼儀正しいのでおれは仙台が好きだ。いい街。
ペソ安にかきまわされた日々
ビットコインやらなんやら最近よく聞くのでおれもお金の話をしようと思う。NISAの話だ。
NISA(少額投資非課税制度)は2014年にはじまった、その名の通り少額からはじめられる”投資を始める人を増やそう”という大きな動きから生まれた制度だ(たぶん)。まあここでNISAがなんたるかを話す気は無いし、おれも詳しいことはまったくわからない。
そう、おれはまったく詳しくないのだ。
事の発端は父親。実家に帰った時、ふいに貯金はどこに預けているのかと訊いたきた。銀行だ、と答えると「そんな金利の低いところに預けていても仕方ない。NISAで口座を作れ、100%得だ」と言う。まるで進研ゼミの漫画の導入部分だ。おとなチャレンジだ。
NISAの存在自体は知っていたけど、とにかく面倒だ。日々株価の変動に追われるのなんていやだ、と答えると「おれが銘柄を選んでやるからすべて任せとけ、まずは100万円振り込め」と持ちかけてくる。ほとんど山賊だ。まぁでも確かに銀行の金利も低いし、彼もやる気があるようだから任せてみるかと了承し、口座を作った。※いまは1年間に120万投資できるけど、開始当時は100万円が上限だった
後日父から連絡があった。「メキシコにしました」メキシコにしたらしい。いま思えば普通はリスク分散というか、いくつかの銘柄に分けて投資してリスクヘッジするらしいのだけど、おれの100万円はメキシコに全額ドンだ。父曰くざっくり言うと、メキシコの通貨ペソの価値が上がる、”ペソ高”になるほどおれは得をするらしい。地球の裏側の異国に想いを馳せる日々が始まった。
結論から言うと、ペソはどんどん下落した。いわゆるペソ安だ。なんだペソ安って、絶対にクラスでいじめられる側の名前なのに、ペソ安がおれを責める。よくわからないけど石油がどうたらこうたらした影響とかで、2015年の経済紙には”ペソ、史上最安値の更新が続く”との文字が躍っていた。
実家に戻ると父親が(´・ω・`)この顔をしていた。「ごめん…」とのこと。その時点で確かおれの100万円は70万円くらいになっていた。おれは怒る気もなかった、そもそもあまり期待もしていなかったし、目に見えないお金に対する執着が薄いという弱点があったからだ。自信満々だった父親が所在なさげなのがおかしかった。
それからは特に価格の動向は追っていないので今どうなっているかはわからない。どうやら当時よりは持ち直しているらしい。やっぱりおれは投資には興味が向かないなと改めて実感した出来事だった。
で、これだけだったら”投資の下手な父親の話”なんだけど、父親自身の持ち株は好調らしく、年に100万単位で利潤を出しているらしい。毎日パソコンとiPadをにらんで投資を楽しんでいると教えてくれた。息子の100万にもそれくらい情熱を持って接してくれよ。
人生の許容量を超えた食べ物、集まりました。
昨日募集した”人生の許容量を超えた食べ物”、さっそくいろいろ集まったので紹介します。
人生の許容量を超えた食べ物、ありますか?
昨日友人とした話がおもしろかった。”人生の許容量を超えた食べ物、ありますか?”という話だ。
なんかある気がする、と思い出せたのがひとつ。はなまるうどんのコクうまサラダうどん(胡麻ドレッシング)だ。500円くらいで食べられるしなんだか健康的な気がするし何より単純に美味しかったので週1くらいで食べていたのだけど、ある日突然食べられなくなった。あんなにありがたがって食べていたのにどうにも箸がすすまない。これが”飽き”か…!と恐ろしく思った。間を置いてチャレンジしたがやっぱり受け付けられず、それ以来一度も食べていない。
友人は”もやしのポン酢がけ”と”玉ねぎにバターを乗せてチンしたやつ”らしい。どちらもわかる気がする。バクバク食べられるけれど確実にどこかに飽きのトリガーがある料理たちだ。「毎日食べていたら突然飽きて…」毎日食べちゃダメだよ。
最近はローソンだかの”照り焼きチキンと卵のサンド”が「そろそろ許容量を超えそう」らしい。「最近毎日食べてるから…」毎日食べちゃダメだよ、学んでよ。あと、超えそうって思っているなら自粛しなよ。
大好きだったものが突如受け付けなくなる、という悲哀というかストーリーがあるのが面白いのかもしれない。みんなの”人生の許容量を超えた食べ物”の話も聞いてみたい。ブログへのコメントでもTwitter(@1106joe)へのリプライでもいいので、お便りお待ちしてます。
バルミューダの炊飯器を買いました
バルミューダの炊飯器を買った。
それにあたってブログを書こうと思うが、機械音痴かつ味覚音痴のおれにはいわゆる家電レビューなどとてもじゃないが書けない。炊きたてのごはんおいしいー!で終わってしまう。そんなこと日本人全員が知っている。
今日書きたいのはバルミューダではなく、今まで使っていた炊飯器のこと。
我が家の炊飯器は1999年生まれだ。実家で長らく働いていたが、家族が大きくなってからは“さすがに3合炊きでは…”ということで大きな最新炊飯器にその役目を奪われた。それをおれの一人暮らしが始まるタイミングで回収し、きれいに磨き上げて今日まで粛々と米を炊いてきた。思い出深い炊飯器なのだ。
とはいえ彼がとうに限界を迎えていることは明らかだった。単純に美味しくないのだ。冷凍なんてした日には目も当てられないパッサパサの出来栄えなのだ。まぁでも彼を責められるわけもない。何せ1999年製。聞けば炊飯器の寿命というのは5,6年なのだという。彼は18歳。人間でいうと250歳くらいだろうか。250歳に米を炊けなんて非人道な話だ。
そういったわけでついにこうして最新の炊飯器を我が家に招き、引導を渡すことにした。彼にとっては2度目の引退というわけだ。マリノスのドゥトラ、阪神の遠山を彷彿させる充分な働きだった、カムバック賞をあげたい。
もちろんバルミューダの炊飯器は比較にならないくらい美味しい。炊き上がり前に不安になる程煙をあげることもない。それでも彼を捨てることができずにまだキッチンの床に置いてある。なんだか寂しいじゃんねぇ。内釜だけでもお米を洗うボウルとして3度目の人生を歩んでもらうつもりだ。
透明なミルクティーの技術を盗めと上縁メガネの課長はぼくに言う
「透明な…ミルクティーだと!?」
サントリーからの公式ニュースリリースに、商品開発部のデスクはさながら往年の刑事ドラマのような空気だ。
ついこの間透明なレモンティーを出したばかりじゃないか。そんな簡単に応用が利くものなのか?飲料を無色にする技術に関して完全に後発となった企画部門は焦っていた。そもそもそんな技術に需要があるなんて思ってもみなかった。紅茶を透明にしたからなんだというのだ、というバカバカしい気持ちもある。だが事実として”透明なレモンティー”は売り上げを伸ばしているのだ。弊社の純然たるレモンティーの売り上げは押し出される形で見事な下降線を辿っていた。
「ちょっと、結城」上縁メガネの課長から呼び出された。嫌な予感がする。「工場の地図、これね」やっぱり。諜報部のぼくの出番のようだ。
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と、まぁそんなわけで道中のぼくの頑張りは長くなるから省くけれど、 工場に潜伏するまではクリアしたところだ。これが本職なわけで、当然といえば当然なのだけれど。とはいえ気が抜けないのはここが天下のサントリー様であること。とにかくこの企業は用心深くて嫌いだ。他の飲料メーカーと比べても抜群にセキュリティが固いのだ。無数に仕掛けられたレーダーを掻い潜りながら進む。
それにしてもいつにも増して厳重じゃないか?ようやく一番奥までたどり着いて静かに汗を拭う。この角の先がお目当ての透明なミルクティーのラインか…こめかみの小型カメラがしっかり起動していることを確認する。よおく収めてくれよ。
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角を折れて製造工程にかち合ったぼくは目を疑った。ラインの途中までは完全に普通のミルクティーなのだ。褐色と言うのだろうか、とにかく変哲もないミルクティー。それが工程の最後、容器に[TR-091]と記された液体がひとしずく落ちた瞬間そのミルクティーは透明になりかわった。化学実験というか、魔法のようだった。多分ぼくはそのとき驚きで声が出てしまったのだと思う。
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しまった。事もあろうにぼくの声はレーダーに捕らえられ、あっという間に屈強な男達に身体を取り押さえられてしまった。ああ、どう抜け出そうか。「ちょうどいい、これを使おう」ひとりだけひょろ長い背格好をした男が[TR-091]と書かれた液体を取り出した。「その液体は」男は満面の笑みを浮かべる。「さっき見ただろう。これは触れた物質を透過させる性質を持つんだ。弊社の研究成果の結晶さ」なんでも?「なんでも。どうやらキミはかくれんぼが好きみたいだから気にいると思うよ。特別に身体へ注入してあげよう」液体が注射器を通してぼくの腕から注入されていく。少しずつ、注入された部分から透明になっていく。うそだろ。
「じきに全身に回るだろう、素敵だね、透明人間の完成だ。これでキミはかくれんぼし放題さ。もっとも網膜も透明になる以上、視力は失うことになるだろうが…」